2011-01-01から1年間の記事一覧

取り憑かれること

http://yosii.blog64.fc2.com/blog-entry-59.html http://yosii.blog64.fc2.com/blog-entry-60.html 上リンクからの引用です。 さすらいと眩暈の日々へ 私は何年か前に九条のシネヌーボで小沼監督特集が公開 された際に知り合いの方が作っていた映画のミニコ…

日本最大の指定暴力団「山口組」の篠田建市(通称・司忍)組長(69)は条例施行を前に、神戸市灘区の山口組総本部で産経新聞の取材に応じた。

暴力団への利益供与などを禁じる東京都と沖縄県の暴力団排除条例が1日、施行された。これにより、暴力団の資金源根絶を目的にした暴排条例が全都道府県で出そろった。日本最大の指定暴力団「山口組」の篠田建市(通称・司忍)組長(69)は条例施行を前に…

日記(美術館も年齢制限を設けた企画展示をやってほしいという妄想、ラテンビート映画祭に思う事)

『ハングオーバー』の続編、無修正版が六本木だけで観れたという。で、それを警察の人が立件しようとして止めたという記事があったが、またかと思って呆れたし、勝手に悲しくなった。いつになったらモザイクがかぶせてあれば卑猥でない、などというアホな議…

仮義に透徹しないジョン・ウォーターズとしての山田風太郎、『春夢兵』を手掛かりに

山田風太郎は私にとって本命の作家であり、その著作もあまりに膨大であるので全体像を掴むことは困難である。だから、以下に記すこともあくまでその一側面でしかなく、理論でしかないことをお断りしておく。大体、この両人には何の接点もない。ただ山田風太…

『悪魔を見た』 報復の劇、その先

韓国の近年のバイオレンス映画、そのエスカレーションを如実に顕す作品である。と言うか、暴力のエスカレーションそのものを題材とした作品であり、まるで戦争映画を観たかのような観後感を抱く。 イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官が仕事にいそしんでい…

『エンジェル ウォーズ』 不意の一撃

19世紀末にルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』を発表してから、数多のアーティストたちがこのモチーフを題材としてきた。それらは絵画(ヘンリー・ダーガー!)、文学、映像などあまりに多岐に渡り、さもガンジス川のような一大潮流となっている。 …

楳図かずお『わたしは真悟』、想像力の臨界点

楳図かずおの神髄はやっぱりすれ違いだ、と思う。読者と作者がすれ違う、登場人物もすれ違う、交錯する。登場人物たちは最善を尽くそうとするが、安易な幸福が彼らに訪れることはない。そうした幸福を読者である私も少なからず望んでいる。でも楳図はそれを…

『セックス・ハンター 濡れた標的』、夷敵を殺す本性

良作。 脚本は大和屋竺。プロット自体は70年の『野良猫ロック セックスハンター』とほぼ同じ。姉を米兵にレイプされたおかげで不能になり、外国人やアイノコに異常な執念を見せる主人公には、かつて藤竜也が演じたバロンの面影がある。主人公は米兵に復讐…

『暴行切り裂きジャック』、クレジットの美学

長谷部安春監督作、傑作。 ケーキ屋で働く男がある女性店員を家まで車で送ってやる途中、雨の中にたたずむ女を乗せる。その女は体にケーキをぬりたくり、体にケーキナイフを突き立てる。ここは『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるおぞましさ。女を車からひきず…

『ハードコアの夜』、愛を求める

ポール・シュレイダー監督作。 『キャットピープル』の音楽が『イングロリアス・バスターズ』で使われたり、と再評価につながればいいな、と思う監督である。 失踪した娘を探すうちにハードコアポルノの裏の世界に足を踏み入れていく父。この手のテーマは『…

『県警対組織暴力』、淘汰される不条理

何よりもオープニングが素晴らしい。 ヤクザである松方弘樹の男気に惚れてべったりと癒着している警官の菅原文太が、組の若い者に「お前ら捕まえるなんて税金の無駄遣いじゃ、さっさとぶっこんで死んでこい」と激を飛ばすという相当に無茶苦茶なシーン。そこ…

『箱の中の女 処女いけにえ』、政性恐戯

『花と蛇』、『生贄夫人』の小沼勝、その一つの到達点である。 小沼はほんとの変態だと思う。『生贄夫人』の異常性欲者もかなりアレだったが、この映画はもっとひどい。被害者が最終的には完全に異常者になってしまい、真の奴隷になる過程が生々しく描かれて…

『告白』を捨て『ヘヴンズストーリー』を選び取る

ようやくのこと、四時間半にもわたる大作『ヘヴンズストーリー』を観ることがかなった。全くよくもこんな作品を撮れたものだと思う。ラストの歌はあまりに恥ずかしいし、復讐代行人という人物があまりに巨大なノイズとして物語に配されている。光市の事件を…

『冷たい熱帯魚』、素晴らしい世界

近年稀に見るウルトラ暴力映画『冷たい熱帯魚』は確かに最近の欺瞞に満ちた一部の日本映画の風潮に対する、限りない罵倒、嘲笑であり、「癒しという麻薬」に溺れた観客に対する荒治療、リハビリとも成り得る作品だった。私は前評判よりも楽しめなかったが、…