クローネンバーグ試論へ向けてのメモ

クローネンバーグは、この世界のエラーを本来性として認識する。 かれの映画の主人公たちにとっては、この世のエラーこそがこの世の道理を露呈させる機縁なのである。 というよりも、そのエラーが真理であるかどうかは主人公たちが主体的に(勝手に)判断す…

今年に入ってから

観た映画は以下。ビフォアミッドナイト 母なる復讐 ウルフオブウォールストリート オンリーゴッド ホビット 竜に奪われた王国三番目、四番目は好きだった。 おれの好きなスコセッシが帰って来た、あのグッドフェラズ、カジノの。そりゃあ楽しいわな。GFの死…

スーパーマン映画について、少し

ザック・スナイダーの『マン・オブ・スティール』を観て来てから、もう2、3週間経つだろうか、分からないが、もうこの手のリアリティラインの設定って難しいよな!って話&愚癡も、いい加減にしないとな、と思っているんで、さくさく話していこうと思う。 …

The Lords of Salem 『ロード・オブ・セイラム』 観た

ロブ・ゾンビの新作『The Lords of Salem』を観た。半端な英語力で観ているから、ちょっと誤解しているかもしれないけど、今現在において分かった範囲で、話してみたい。 たぶん賛否両論が分かれる映画だと思う。ストーリー自体は難解でも何でもなく、ある意…

80年代のもう一つのすがた

http://d.hatena.ne.jp/UESU/20050807 ハナタラシヒストリー(話;東瀬戸悟) - 東瀬戸 悟 1960年 兵庫県生まれ。大阪在住。フォーエヴァー・レコード代表。 プログレ、サイケ、ノイズ、現代音楽を中心に国内外のシーンに幅広く精通する。自身のレーベル、AU…

ミラージュ

http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20071030/1193694802 渋谷にアートスペース美蕾樹(ミラージュ)というユニークな画廊があった。オーナーは越生あき子さん、年齢不詳の女性だった。元不忍画廊出身、不忍画廊は羽黒洞から分かれているから、老舗の羽黒洞の孫画…

内田樹のブログから。

彼らが「慰安婦制度に軍部は関与していない」とか「南京事件などというものは存在しなかった」ということをかまびすしく言い立てるのは、その主張が国際的に認知される見通しがあるからではない。 全く逆である。 日本以外のどこでも「そんな話」は誰も相手…

ミロスラフ・ティッシー

http://paulparis.exblog.jp/7259649/ "Je n'existe pas ! Je suis un outil. Un outil de perception peut-être. Je ne crois en rien, ni en personne, même pas en moi-même." (私は存在しない。私は道具である。おそらく知覚のための道具。私は何も信じ…

ストム・ソゴー(十河力) 観る前 観た後

http://imageforumfestival.com ストム・ソゴー 甘美から発作へ 5作品76分 【フィルムメーカーズ・イン・フォーカス 1 】 ストム・ソゴー ジョナス・メカスによって現代で最も刺激的な映画作家とされ、2000 年代初頭のニューヨークのアンダーグラウンド映画…

メモ

http://www.zokei.ac.jp/news/2013/001-1.html 460名の学部入学生、ならびに53名の大学院入学生、11名の編入学生、1名の再入学生の皆さん、入学おめでとうございます。新しく東京造形大学の一員となられた皆さんを、私たちは心から歓迎いたします。また、ご…

アンリ・ラングロワ、シネマテーク・フランセーズ創設者

http://blog.goo.ne.jp/nyoze-en/e/0e477ab3ab73e1738bd17602c6ed2cb9アンリ・ラングロワのことはベルトルッチの『ドリーマーズ』くらいでしか知らなかったのだが、面白い人みたい。山田先生の本もまだ読んだことなかったけど、読んでみようかな。 まず以下…

淀川長治の迷怪説

http://www.ivc-tokyo.co.jp/yodogawa/01.html淀川長治の名(迷?)解(怪?)説、文章に起こすとまた面白い! 一つ目はフリッツ・ラングの『M』、二つ目はグリフィスの『国民の創世』。 フリッツ・ラング監督の『M』。怖かったな~。これドイツ映画ですよ。…

『Idaho Transfer』(1973)

http://santo.cocolog-nifty.com/sf/2008/07/idaho_transfer1_5374.html『Idaho Transfer』(1973) ピーター・フォンダ監督のSF映画。ピーター・フォンダなのだからさぞかし面白い映画であろうと思ったらトンデモない、意味不明で頭が痛くなってくる酷い代物…

リンク

http://homepage2.nifty.com/moruda/20/20.htmlhttp://moteasobareta.com 変なの。

ある映画監督のblogから

http://documentary-campaign.blogspot.jp 自民党の改憲案について、何が一番問題なのか、僕なりの見解を下に記したい。天賦人権説とは、平たく言えば、男も女も異性愛者も同性愛者も健康な人も病気の人も障害のある人もない人も子供も老人も右翼も左翼もア…

『悪の華』

最近では、ここは私の好きな文章の保管庫と化して来ている。それに加えたい素敵な文章を見つけたので載せておく。 http://ameblo.jp/kyodai1964/theme-10032418338.html 休講の日は、あてもなく本屋めぐりをして、女装に関する本を見つけては立ち読みして、…

言葉 3. 4.

内田のブログはねちっこくて、かったるい時はかったるいが冴えている時の、妖しいまでの駄目押しはすごいと思う。最近の中では、この忠臣蔵評と、やはり最稼働に関する文章は一読に値すると思ったので、私の備忘のために、これを挙げておくことにした。殊に…

言葉 1. 2.

言葉というのは、ここ最近において最も議論に値する議題であって、もはや何人もこれから逃れることができない。 だからといって、別に逃げる人をとっつかまえて拉致監禁暴行その他がどうとかいうことではない。単に私が私の好きな二つの言葉を書き付けていく…

春の詩

高橋哲哉さんが紹介していて、美しい詩だなぁとは思ったものの、頭の片隅に追いやっていました。 再び思い出して、ぐぐったり、手帖に書き付けたりして、ここにも載せておくことにします。 http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2004/06/0406j0121-20001.htm…

むなしさを知っても幾度も知らなくてはならないと知らされる

5 孫文の義士団 テディ・チャン 孫文による辛亥革命から百年ということで香港、中国のスタッフから成る一大絵巻の本作が制作された。孫文が香港に来るということで西太后が暗殺部隊を送る。これを迎え撃つのが新聞社が結成する有志。有志というのはレジスタ…

止まらないと知ることでわたしたちは止まることができるのか

10 dial H-I-S-T-O-R-Y Johan Grimonprez 日仏会館の特集上映「鉛の時代 映画のテロリズム」やその他の小さな上映会で上映されていた本作。世界のハイジャック映像をディスコミュージックで魅せる。そこにドン・デリーロの朗読が入る、という映画。「オリ…

取り憑かれること

http://yosii.blog64.fc2.com/blog-entry-59.html http://yosii.blog64.fc2.com/blog-entry-60.html 上リンクからの引用です。 さすらいと眩暈の日々へ 私は何年か前に九条のシネヌーボで小沼監督特集が公開 された際に知り合いの方が作っていた映画のミニコ…

日本最大の指定暴力団「山口組」の篠田建市(通称・司忍)組長(69)は条例施行を前に、神戸市灘区の山口組総本部で産経新聞の取材に応じた。

暴力団への利益供与などを禁じる東京都と沖縄県の暴力団排除条例が1日、施行された。これにより、暴力団の資金源根絶を目的にした暴排条例が全都道府県で出そろった。日本最大の指定暴力団「山口組」の篠田建市(通称・司忍)組長(69)は条例施行を前に…

日記(美術館も年齢制限を設けた企画展示をやってほしいという妄想、ラテンビート映画祭に思う事)

『ハングオーバー』の続編、無修正版が六本木だけで観れたという。で、それを警察の人が立件しようとして止めたという記事があったが、またかと思って呆れたし、勝手に悲しくなった。いつになったらモザイクがかぶせてあれば卑猥でない、などというアホな議…

仮義に透徹しないジョン・ウォーターズとしての山田風太郎、『春夢兵』を手掛かりに

山田風太郎は私にとって本命の作家であり、その著作もあまりに膨大であるので全体像を掴むことは困難である。だから、以下に記すこともあくまでその一側面でしかなく、理論でしかないことをお断りしておく。大体、この両人には何の接点もない。ただ山田風太…

『悪魔を見た』 報復の劇、その先

韓国の近年のバイオレンス映画、そのエスカレーションを如実に顕す作品である。と言うか、暴力のエスカレーションそのものを題材とした作品であり、まるで戦争映画を観たかのような観後感を抱く。 イ・ビョンホン演じる国家情報院捜査官が仕事にいそしんでい…

『エンジェル ウォーズ』 不意の一撃

19世紀末にルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』を発表してから、数多のアーティストたちがこのモチーフを題材としてきた。それらは絵画(ヘンリー・ダーガー!)、文学、映像などあまりに多岐に渡り、さもガンジス川のような一大潮流となっている。 …

楳図かずお『わたしは真悟』、想像力の臨界点

楳図かずおの神髄はやっぱりすれ違いだ、と思う。読者と作者がすれ違う、登場人物もすれ違う、交錯する。登場人物たちは最善を尽くそうとするが、安易な幸福が彼らに訪れることはない。そうした幸福を読者である私も少なからず望んでいる。でも楳図はそれを…

『セックス・ハンター 濡れた標的』、夷敵を殺す本性

良作。 脚本は大和屋竺。プロット自体は70年の『野良猫ロック セックスハンター』とほぼ同じ。姉を米兵にレイプされたおかげで不能になり、外国人やアイノコに異常な執念を見せる主人公には、かつて藤竜也が演じたバロンの面影がある。主人公は米兵に復讐…

『暴行切り裂きジャック』、クレジットの美学

長谷部安春監督作、傑作。 ケーキ屋で働く男がある女性店員を家まで車で送ってやる途中、雨の中にたたずむ女を乗せる。その女は体にケーキをぬりたくり、体にケーキナイフを突き立てる。ここは『悪魔のいけにえ』を彷彿とさせるおぞましさ。女を車からひきず…